調査資料

2026年法改正前に設備管理の意識変化。約7割が「メーカーによる予防保全」を求める【調査レポート】

全国の工場・ビル・公共施設等の管理責任者402名を対象に「設備管理における課題と要望に関する実態調査」を実施しました。詳細の調査レポートについては、お問い合わせフォームより資料請求いただけます。

目次

調査背景

2026年4月から、カーボンニュートラルの実現に向けた改正GX推進法や資源有効利用促進法(改正)が施行されることに伴い、環境規制の強化や、企業のESG対応への社会的要請が高まっています。一方で、設備管理の現場では技術者の人手不足や設備の高度化が進行しており、適切な修繕タイミングの判断が困難になっています。

こうした環境変化の中で、施設設備の管理者が設備メーカーに何を求めているのか、その実態を明らかにするため本調査を実施しました。

調査対象の内訳

本調査は、多様な施設の管理責任者402名から回答を得ました。

製造工場(約25%)、オフィスビル(約32%)、物流倉庫(約12%)、学校・教育施設(約9%)、公共施設(約7%)、病院・医療施設(約8%)、商業施設(約12%)

役職別では、経営者・役員(約25%)、施設管理責任者・部門長(約20%)、設備管理担当者(約18%)、総務・管理部門担当者(約28%)と、意思決定層から実務担当者まで幅広い層を対象としています。

調査結果詳細

設備機械の老朽化に伴う安全に対するリスク増加や、環境法令の強化により、設備メーカーには予防保全・予知保全の高度化が求められています。一方で、依然として「事後対応」中心のメンテナンスから脱却できていない企業が多いと指摘されています。本調査では、設備機器メーカーにおける予防・予知保全の導入実態や課題、今後の方向性を明らかにすることを目的としました。

調査結果サマリー

本調査の結果サマリーは以下のとおりです。

調査結果の抜粋

深刻化する技術者不足、専門スタッフ不在施設が半数以上

設備管理の専門スタッフ配置状況について尋ねたところ、「専門スタッフはいない」が約35%、「兼任で対応している」が約20%と、合計約55%の施設で専任の技術者が不在であることが明らかになりました。

また、専門スタッフを配置している施設でも「技術者の高齢化が進んでいる」(約34%)、「後継者育成が進んでいない」(約39%)といった課題が浮き彫りになり、設備管理における人材不足が深刻化していることが分かりました。

特に、オフィスビルや製造工場では「設備が高度化し、自社で修理ができない」(約31%)、「予防保全のタイミングが分からない」(約23%)といった声が多く、メーカーの技術支援への依存度が高まっています。

約7割が「メーカーによる予防・予知保全サポート」を希望

設備の予防・予知保全業務において、メーカーのサポートを希望するか尋ねたところ、「強く希望する」(約27%)、「やや希望する」(約42%)を合わせて約69%が希望していることが判明しました。

特に注目すべきは、専門スタッフがいない施設ほど、「予防保全のタイミングが分からない」「設備が高度化し、自社で修理ができない」といった課題を抱えており、メーカーによる計画的な修繕サポートへの期待が高まっている点です。

予防・予知保全については約68%が「実施してみたい」と回答。なお、実施していない理由としては、「最適な修繕時期が分からない」(約44%)、「故障した時に修理すれば良い」(約35%)が上位を占めました。

一方で、「メーカーからの提案がない」という回答も約19%あり、メーカー側からの積極的な予防・予知保全の提案が求められています。

設備発注の選定基準が変化、「予防保全対応力」「環境配慮」が重要要素に

設備の入替時における発注先選定基準(上位3つを選択)では、「メーカーの信頼性・実績」(約90%)が最多となり、次いで「価格の安さ」(約77%)、「過去のアフターサービス」(約72%)が続きました。

注目すべきは、「過去のアフターサービス」が入替時の選定条件に大きく影響し、「価格の安さ」とほぼ同じ結果になった点です。また、「環境配慮・ESG対応」を選定基準に挙げた回答が約28%に上り、その内訳においても「非常に重視する」(約18%)、「やや重視する」(約54%)を合わせて約72%が重視すると回答しております。

今後、価格競争に陥らない秘訣は、予防保全対応力と環境配慮にあることが示唆されています。

施設の建替え時の建設会社選定基準についても調査したところ、「用途に応じた専門知識や実績」(約65%)、「アフターサービスの充実度」(約58%)、「価格」(約52%)の順となりました。

建替え時の建設会社選定でも環境配慮を重視

設備に限らず、建物の建設会社の選定条件においても、「建物・設備のアフターサービス」が重要視される結果となりました。また、「解体・廃棄の環境対応力」は約21%が選定基準として挙げており、資源循環への対応が建設・設備業界全体で重要視されつつあることが確認できました。

設備管理者のお困り事は、故障時の対応が遅い。次いで、設備の高度化で修繕できない

設備管理者のお困り事としては、「故障時のメーカー・メンテナンス会社の対応に時間がかかる」(約35%)、「設備が高度化し自社で修繕できない」(約32%)といった課題が挙げられています。

トラブル時の修繕体制を充実させるだけでなく、修繕計画に基づく部材調達や施工リソース手配など、故障予防を求める潜在ニーズがあることを示しています。

調査結果を受けての考察

本調査により、設備管理の現場では深刻な技術者不足が進行しており、物件の設備管理者の多くがメーカーによる予防・予知保全サービスへの期待を高めていることが明らかになりました。

また、環境規制の強化やESG経営への注目を背景に、設備発注や保全委託先の選定において環境配慮・ESG対応が重要な判断材料となりつつあります。

設備管理者がメーカーに対する要望は、「売り切り」から導入後の修繕サポートや環境配慮型サービスといった「長期修繕マネジメント」へと変化しつつあることが分かりました。

今後、メーカー各社は顧客の技術者不足を補完する「長期修繕マネジメント」の強化に加え、リファービッシュ(再生)や廃棄時のリサイクル対応を含めた環境配慮型ソリューションの提供が競争力の鍵になると考えられます。

調査結果の抜粋は以上です。その他の調査結果では、以下のような情報も掲載しております。

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